ジーンズの糸

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空紡糸用の紡機


ジーンズの糸の製造



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 ジーンズの糸の製造では、有名な綿紡であるクラボウ(倉敷紡績)・ニッシンボウ(日清紡績)などが挙げられます。
他にも意外とたくさんあります。
このジーンズに使われるの製造工程では、主にリング糸と空紡糸(オープンエンド)の2種類の糸が紡がれています。
一旦、原綿をほぐして、そのあと、紡機で撚りを段階的にかけて、細い糸にしていきます。
日本では昔から、ジーンズにはリング糸が大半使われています。
ジーンズの本家本元のアメリカ、またヨーロッパやその他のデニム製造国は、安価な空紡糸を使用してジーンズ用のデニム生地を作っていたようですが、後には日本の品質の良さに併せるようにリング糸を使う企業が増えたと聞いております。
ちなみに、これらリング糸と空紡糸はインディゴ染料の染着率が違ってくるので、染料のフィード量を頻繁に替えていました。
リング糸に比べて空紡糸は繊維長が短いせいなのか、糸の表面への染まり具合が良かったようです。
見た目が濃くみえ、染まった糸の断面も空紡糸の方が中白になっていたように記憶しています。
この中白については別のページで記述します。
ところで、製品を洗うとどのような違いがあるのでしょう?
写真があれば分かりやすいのですが、空紡糸使いの製品は全体にゴマ塩を振りかけたような色の落ち方をします。
一方リング糸は、柔らかい落ち方でとても上品です。
言葉での明確な表現はできませんが、かなり顔がかわって違いがはっきりしてきます。
日本人なら大方, リング糸使いの製品を良いと判断するでしょう。
ところで、最近ジーンズと言われる製品の素材の中にレーヨンやテンセルと呼ばれる繊維が登場しています。
しかし、ジーンズは元来デニム(厚地織物)を縫製して作られたものを言うはずなので、とてもおかしなことです。
まあー、ジーンズ業界は何でもありという風潮が無きにしもあらずなんで、こだわるほうが時間の無駄ということになるのでしょう。
ところで、レーヨンやテンセルの生地の重さ厚さはどうなんでしょう。
少なくとも、私の知っている限り、代表的な14オンスデニムといわれるデニム生地の重さや厚みはありません。
というか、これらの繊維の特徴を生かすためには重くすることはまったく無意味なんです。
それでは、どうしてジーンズと呼ばれる商品があるのかといことですが、それはとても簡単に答えが出せます。
それは、インディゴ染料でブルーに染められている、また、ジーンズを手がけているメーカーが取り扱っている、からということです。
それと、このような素材の大々的な登場のきっかけになったのは、ジーンズのバイオウォッシュに挙げられます。
繊維の減量化に使われたこの酵素を使った洗い処方をこれらの素材でできた生地に処方してみたところ、とても柔らかくなったということで必須工程になったわけです。
つまり、ジーンズの洗いの一部の工程と同じ、ということでジーンズの分野になったわけです。
話はかわりますが、私はある紡績の工場長にお会いし、その方の執念を思い知らされました。
というか、ものづくりのこだわりについて勉強させて頂きました。
この当時品質の良い糸は、形状が一定で、つまり1本の糸のなかで太い部分と細い部分がなく、どこをとっても同じ太さであれば品質の良い糸だと言われていました。
もちろん、工場長は社員一丸となって、日夜そのような品質の良い糸を紡ぐべく、努力されたのは言うまでも無いことなのですが、一方で、品質が悪いという糸、つまり細い部分と太い部分がある糸作りの開発にも邁進されていたのです。
イレギュラーとして紡がれることはあっても、安定してその強弱を出すのは、並大抵のことではなかったと思います。
工場内の機械はすべて同じ太さになるよう、日々調整されていたはずですから。
ましてや、検査段階で悪いと言われていたものを、あえて作ろうとしていたのですから。
ところが、現在ジーンズに使われている糸の多くはムラ糸と言われ、このようなある一定の間隔で太い部分と細い部分があるものが使われるのが当たり前のようになり、ジーンズの価値をかなり高めています。
今ではもっと激しい凹凸の糸も出ているようです。ストラクチャーヤーンなどです。
でも、後工程での作業ではずいぶんと泣かされましたけど。
それにしても、自分が情熱と高い目標を持って懸命に努力すれば、必ず報われる時がくる。
このような人生のすばらしさというものを、はっきりとみさせて頂いたような気がします。
本当に頭が下がります。有難うございました。


木管に巻かれた綿糸
7番手 32,000yd
(チーズ)


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